2009年11月20日

水俣FW3日目、地元学・村丸ごと生活博物館

スケジュール
 9:00〜11:00 吉井正澄元水俣市長のお話
11:00〜12:00 頭石・村丸ごと生活博物館へ移動
12:00〜13:00 頭石の水源へ挨拶、頭石の由来でもある石を見に行く
13:00〜14:00 頭石の郷土料理、家庭料理をいただく
14:00〜14:30 村丸ごと生活博物館の概要説明(水俣市役所・冨吉)
14:30〜15:00 頭石・村丸ごと代表、勝目豊さんのお話
15:00〜16:00 地元の人へのインタビュータイム
            勝目さん、せしかいをしてくれたおばちゃんたち
16:30〜17:30 ふりかえり・共有化

最終日。
最初のセッションは相思社にて吉井前市長のお話。
吉井さんは地元学提唱者の吉本さんと二人三脚でやってきた人。
もやい直しを提唱して、行政として初めて患者に謝罪し、
水俣における人間関係修復の大きなきっかけを作った人でもある。

まず水源に行く。
その後、頭石(かぐめいし)という地名の由来になった大きな石を見に行く。

昼ごはん。
頭石で採れた食材を使った料理をいただく。
研修員もよく食べていたように思う。

インタビューセッションでは3グループに分かれた。
勝目さんと料理を作ってくれた女性3人が付き合ってくれた。
研修員は各4人。それぞれ自由に質問をする。
漠然とした印象だけど、女性に聞くときの方がより事実に基づいた
やりとりになっていたように思う。一部、「私の国では冬は寒くて、
その期間は特別な作業をする。この地域にもそういうものがあるのでは?」
といった自分の文脈から発せられる質問もあったけど

最後のふりかえりでは、「今日一日でもっとも印象に残ったこと」
「言葉」か「もの」を表現してもらった。

昨日はなかなか「事実に目を向ける」ということが難しかったが、
今日のふりかえりでは、みんなが事実を挙げてくれた。
「石垣」、「料理」、「湧水」、「料理を作ってくれた5人のおばちゃん」
「たくさんの訪問客」などなど。

今回は前回よりもインプットをかなり減らし、
また今までのようにわかりやすくテーマを抽出し表現することも避けた。
全ては「自分で見つける」ため。インプット量が少ないのでは、と
不安になったり、全てを言ってしまいたい衝動に駆られた。

しかし、最後のふりかえりでは、こちらが伝えたいことがいくつかでていた。

例えば「財政支援をしない」という話。
地元学では主体性を大事にするため、いきなりお金をつけることはしない。
お金を使わずにやってきた工夫、事例がいくつかある。
ただ地元学のメインポイントではないので、昨年のように特に強調はしなかった。
吉井さんの話とかの中でちょろっとでてきただけ。
でも、リチャードさんのふりかえりの中で、「コミュニティホールを自分たちで
作ったという話を聞いて驚いた」というコメントがあった。

最後にそれぞれが書いた印象に残ったものを手渡して終了。

終了後、関係者でふりかえりを兼ねた夕食会。
「2日目までは研修員もあんまりピントが合っていなかった。
 だけど、最後のふりかえりは事実に基づいていた。
 何がその変化をもたらしたのだろう?」
というのが、関係者に共通した印象だった。

その答えとしては、「湧水を飲んだ」、「ごはんを食べさせてもらった」
「個別に話をきけた」、「初日、二日目のやりとりの効果」などなど。
地域との出会い方にポイントがあるのかも、という話を長畑さん、八木さんとした。

そのからくりははっきりとはわからなかったけど、
ともかく研修員はそれぞれ何かを掴み、そして水俣と地域を好きになってくれていた。
何もできなかった、という無力感が残るが、教えることを我慢だけはした。

卵の殻を親鳥のように適切につつけたかどうかはわからない。
だけど、とりあえず信じて内側からの変化を待ってみよう。
水俣でお世話になった人々に感謝です。

2009年11月19日

水俣FW2日目、地元学・あるもの探し

スケジュール
 9:00〜10:00 地元学レクチャー 遠藤邦夫(相思社職員)
10:30〜12:00 中間ふりかえり 長畑誠
12;30〜13:30 昼食
13;45〜16:00 大川にてあるもの探し
16:30〜17:30 大川のおばちゃんたちによる手料理が振舞われる
17:30〜18:30 共有化、地元の人への発表

今日からいよいよ地元学にフォーカスしていく。
まずは「地元学レクチャー」。当初は生みの親、吉本哲郎氏にお願いしようと
していたが、都合がつかず。代わりに遠藤さんがやることに。
課題はそもそも抽象的な地元学の概念をどう具体的に伝えるか。

悩んだ末の回答は2つ。一つは遠藤さん自身の経験に基づいた話をする。
もう一つは実際に作った「水のゆくえ」という地図をもとに話をする。
上記を朝突然思いつたので、地図の準備が間に合わず、
朝のセッションの前に急いで、水俣市役所に取りに行く。
時間はぎりぎりだったけど、なんとかセーフ。

具体例や問いかけをしながら、
地元学の方法論である「自分たちの地域を、自分たちが主体となって、
外部のまなざしも借りながら、実際に歩いて調べる(あるもの探し)。
調べた人しか詳しくならない。調べた結果をさまざな切り口から検討し
考える。その考えたことを、モノづくりや人づくりや地域づくりに活かしていく」
ということを押さえる。

中間ふりかえりは長畑さん進行。
まず、今までに水俣病、ごみ分別、地元学と学んできたことを確認し、
それらのつながりを研修員に考えてもらう。
それから、残りのスケジュールを確認して、
今から何を学びたいか、何を質問したいかをグループで話し合ってもらう。
ここでは「PRAと一緒では?」という質問がフィリピンの研修生からでる。
長畑さんが「確かに似ている部分はある。しかし、違う個性もある。
それはとても大事なことでもある。ぜひそれを見つけて欲しい」という主旨の返答をする。


昼食は愛林館でカレー。
タイカレー、インドカレー、日本カレー。

大川に移動し、あるもの探し。
まず遠藤が地元学の作法のレクチャー。
「一緒に歩いている案内人に、自分が気になったモノ・驚いたモノについて、
問いを発する。これは何ですか?何時から使ってますか?なぜここにありますか?
誰が作りましたか?誰が使いますか?・・・・」
悪い質問例としては「農業経営はどうですか?」
事実を具体的に聞くことを意識するよう働きかける。

地元の案内人3名、よって3グループにわかれる。
(中略)

ここでは、見たものに基づいた質問ができるか、
地元の人に気付きを与えるような質問ができるか、
事実を調べて、それを基に考えることができるか、という訓練の場。
そのことにどれぐらいの研修員が気付いてくれただろうか。

あるもの探しから戻って来ると、
予期せぬ、大川のおばちゃんたちからのぜんざいの振る舞いが。
研修員も外を歩いて来て冷えていたので、ほっと一息という感じ。
ありがたい。

その後、共有化を行う。
まず、あるもの探しで聞いてきたもの、
自分が驚いたこと、印象に残ったものを何でも書きだす。
そして、それをグループ内でシェアリングし、カテゴライズする。
それを地元の人たちに向け発表。

それぞれに興味深い発表だった。
どのように質問したかがよくわかる。
見たものをきちんと質問していたグループは事実が浮かび上がって来るし、
「農業経営は?」などの抽象的な質問をしてきたグループは感想が多い発表となった。

最後に地元学の成果物は地元に置いていく、
外部者が知の収奪をしない、というメッセージを体現すべく、
調べた成果物を地元の人に手渡し終了。

終了後、明日のスケジュールに関してのトラブル発生。対応に追われる。
なんとか良い方に転換させたい。

2009年11月18日

水俣FW初日、水俣病&ごみ分別


いよいよ水俣・地元学研修開始。

まずは自己紹介を兼ねたワーク「私の村・あなたの村」。
これは相思社時代に地元学研修を担当していた国際セクションで開発したワーク。

それぞれ関わるコミュニティを3つのキーワードで表現してもらう、というもの。
狙いはこれから地元学の研修を受けるあたって、常に自分の関わるコミュニティを
イメージしてもらいたい、ということと、
その3キーワードにポジティブなものが現れるか、ネガティブなものがあらわれるか、
ポジティブな側面がでてきたとして、どういう性格のものがでてくるか。
インフラなのか、地元の伝統的な仕組みなのか、まず自由に表現してもらう。

拙い英語で坂西が進行。
まずは各自紙に書いてもらう。2グループに分かれてシェアリング。
「貧しい人々」「アクセスの悪さ」などいくつかのネガティブな表現もあったものの
全体的にはポジティブな面、それも自然資源や、人の個性などに注目したものが多かった。
長畑さんの大阪でのファシリテートの成果だろう。

次に水俣病歴史考証館見学。今日の午前中のテーマは水俣病。
ここでしっかりと押さえ、午後から地元学に入っていく予定。
考証館は基本は自由見学だが、坂西が相思社の活動、水俣漁民の出自、
チッソの歴史や現在の商品などを説明。時間がなかったこともあり英語で行う。
いつも通訳してくれているJICE八木さんの存在の大きさを改めて実感した。

考証館を出て、胎児性患者の通所作業所兼、ショートスティ施設、ほっとはうすへ。
ここではお母さんのおなかの中で有機水銀に暴露した胎児性水俣病患者の人たちに会う。
それぞれが生い立ちなどを語ってくれた。

僕が6月に水俣を離れるまでは自転車に乗っていた患者の人が、
車いすに乗っており、とても驚いた。年とともに急速に進行しているようだ。

昼ごはんはもやい直しセンターという公民館のようなところで、
水俣特産のわっぱめしを食べる。

午後からはごみ分別を学ぶ。
まず水俣市のクリーンセンターへ。
水俣市ではごみを水俣市民が22分別にわけている。
それをクリーンセンターが回収し、プレスしたり、破砕したりなどの処理をしている。
またリサイクル業者に販売したりもしている。

クリーンセンターでは実際にごみの処理の様子やごみが集まっているストックヤードを見学。
実際に物が目の前にあるせいか、質問が矢継ぎ早に飛んで八木さんの通訳も追いつかないほど。

その後、一度相思社に戻り、
簡単なリフレクションと印象に残ったことなどを考える時間を持つ。
残念ながら十分な時間は割けなかったが、何人かには発言してもらえた。
そのまま水俣の事例として「水俣におけるごみ分別の意味」を紹介。

水俣のごみ分別は環境負荷の軽減を目的としていたが、
そちらはコストやごみ総量などいろいろな課題があり、必ずしもうまく言っていない。
しかし、水俣の地域づくりには大きな役目を果たした。
それは水俣病によって壊れた協働作業再生のための場、住民同士が話し合う場を持てたこと。
外の人が評価してくれ、水俣病で失った誇りを取り戻すことができたこと。
水俣は外部からの評価があって、初めて水俣病と向き合うことができるようになっていった。
というようなことをごみ分別がもたらした成果として紹介。

そして実際に、地域の人がごみを分けている実践を見に行く。
西の浦団地ということろ。どこかのTVの取材も来ていた。
例年暗くなってからきていたので、初めて明るいうちに見学できた。
コンテナを並べるところから、地域の人が集まって来て、
どのようにごみを分けているか、老人がどのようにサポートされているか、
中学生のボランティアが何をしているか、水俣地域の協働作業を見てもらった。
各自、分別を手伝ったり、インタビューしたり。寒かったが、たっぷりと時間をとれた。
それぞれが何を掴んだか、表現してもらう時が楽しみだ。

最後に水俣湾の埋め立て地を見に行く。
水俣の水銀が今なお無処理で埋め立てられている場所。
なんと58ヘクタールもある。
海岸沿いはともかく寒い。

長い一日だった。
最後に相思社職員とふりかえり(今日の反省、明日の確認など)をして終了。

2009年11月17日

水俣へ移動!


今日はJICA大阪から水俣へ移動の日。
しかし、あいにくの雨。しかも寒い。
毎年、なぜか水俣での研修の期間は寒い。

伊丹空港で研修員の人と合流。
みんな比較的軽装な身なり。

搭乗時間にちょっと遅れかけたオットーさんとリチャードさん。
なんでも手作りサンドイッチを待っていたそう。
「店員は5分って言ったのに、10分かかった」とのこと。
まぁ、おかげで美味しいサンドイッチを食べれよう。

無事に鹿児島到着。やっぱり寒い。
鹿児島から約2時間かけて水俣へ移動。

比較的時間が早かったので、予定にはなかったけど、
水俣市内全景が見れる「陣の坂」へ。
チッソが水俣市の真ん中にあること、
海との距離感や川の位置などをざっと見学。
特に説明はせず、質問に答えたのみ。
質問は「どれがチッソ?」「排水はどこから流した?」など。

その後、ホテルに入る。
坂西はそのまま水俣病センター相思社の人と打ち合わせ。
う〜ん、今年はあんまり詰められていない気がしてちょっと不安。

18時半から、長畑さん、八木さん、中嶋さんを交えて夕食&確認。
今年のテーマは「信じて待つ」。インプットの量を例年より少なめに。
ちょっと不安になりますが、新しい試み。さてどうなることやら。

2009年11月16日

JICA大阪の近辺を歩く

今日のリフレクションは葵さんとリチャード。
まず、それぞれの人生にとって重要な人を各自が書く。
それを花の花びらの部分に貼っていく。
それをリチャードがもぎ取ったり、破ったりする。

「これらの関係者は私たちにとってとても重要。
 しかし、外部者は時にこれを壊してしまう。外部者の目的や意図は良い。
 でも、考え方は違う。私たちは注意深くないといけない。
 ポジティブな要素だけでなく、ネガティブな要素もある。対立を生むこともある」

今日の研修は、さらに外部者の役割について考える。
良いパートナーシップを作るために、
1.対話 2.観察 が必要だと長畑さんが指摘。
FACT→Analysis→Hypothesis

まず、観察について学ぶために、JICA大阪の周りを4グループに分かれ歩く。
(中略)


帰って来て、FACTとそれから考えられるHypothesisを考える。
僕のグループはレオ、アタイ、ブレンダ。

FACTだと言っているのに、福祉や宗教などが出てくる。
他のグループを見ても豊かなコミュニティ、きれいな町などのFACTが。
う〜ん、こりゃ大変。
長畑さんが各グループをまわり、突っ込みを入れていく。

うちのグループは最初、FACTに上記のような概念が並んでいたが、
ブレンダががんばり、一つずつ具体的なFACTを出していくことに成功。

しかし、全体的にまだまだ事実と仮説の区別がついていない様子。
シェアリングの際に、これは事実か、どうかで議論になる。

自分の地域と比べると、これも事実だ、という意見も。
テーマは「この地域には家畜がいない」。
これを最初はFACTとしていた。
理由は、自分の地域と比べるといないから、というもの。

しかし、FACTは「今日見た家には家畜がいなかった」だ。
地域全てに家畜がいないかどうかはわからない。
仮説としては多分あっているかと思うが、確かめたわけではない。
つまりFACTではない。が、これをFACTだと勘違いしている。

上記は一例だが、他にもいろいろとあった。
「この地域はきれい」とか。
今日のワークを通じての僕の見つけたFACTは「事実」がわかっていない。
仮説は「だから事実に基づいた活動ができてないのでは」である。

シェアリングでの議論によって、研修員もなんとなくわかったと思う。
これをスタートにして、水俣などでより事実とは何かを深めていきたい。

その後、長畑さんが簡単にインタビュースキルをシェア。
例の朝食に何を食べたか、と5W1Hで事実を聞く質問は何か。

最後に長畑さんが地元学の主要なテーマを紹介。
「地域の人が外部者の目をかりて自分たちの地域を知っていく」
「ないものねだりではなく、あるもの探しを」

加えて、
「水俣でのメインファシリテーターは坂西さん。
 私はアシスタントになります。」。。。。。どうしよう。
熱がでてきた。本当に。とりあえずさっさと寝よう。
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